今月のコラム〜所長による経営随想コラム!(毎月更新)

                          『内外作区分』

          〜不況の時に、外注品を内製に切り換えなければならないようならば、
                 わが社の事業に何か大きな欠陥がある〜


 内製するか外注するかは、単なる「コスト」の問題ではなく、高い次元の戦略的視野からの決定でなくてはならない。・・・ 外注比率を高めると、売上増大にも関わらず損益分岐点の上昇がわずかなので、外部要因の変化に対する弾力性が大きくなり、企業の安定度が増大する。・・・
 どの会社を見ても、外注工場に対する明確な方針などはなく、外注担当者が「内作で間に合わない部分だけ外注する」「小型外注のほうが安い」という程度のことしか考えない。・・・
 外注利用ほど、会社の安全性と収益性を同時に向上させるものはないのであるから、社長は自らの会社の内外作区分についての、明確な方針と目標を持たなければならない。
  (日本経営合理化協会出版局 一倉定の社長学第5巻「増収増益戦略」より引用)


 みなさん、GWも終わり日本中が通常モードにまた戻ってきました。
 表題の通り、忙しい時は外注化、仕事が減ると内製化するといった政策には良くお目にかかります。しかし、外注政策をどれだけ戦略の一環で考えていますか。
 そもそも、競争が激化し売上が減少してくる現状では、固定費を落とし損益分岐点を下げることが生存のために必要となる局面があります。このための有用な手法に「無駄な作業をやめること」があります。やめる手法は4つ、@そもそも作業自体がやめられないか、A外注化(アウトソーシング)できないか、BIT化できないか、Cお客様自身にしてもらえないか。
 外注化は明確な方針の下で行う重要な戦術と言えます。売上増大の成長局面だけでなく売上減少の生存局面においても、会社の経営計画のもと、きちんとした方針で行う外注化はかなり効果的なはずです。
 一度じっくり考えてみませんか。経営者にしかできない決断の一つです。
  

                                                   (H24.5.7)