今月のコラム〜所長による経営随想コラム!(毎月更新)

                    

環境整備

環境整備こそ、すべての活動の原点である。


  環境整備とは、規律・清潔・整頓・安全・衛生の五つを行うことである。
多くの人々は、環境整備について、知っているようで、その実よく知らない。大切なことだから、やらなければいけないと思いながら、なかなか積極的に実施しようとしない。環境整備をテーマにした論文やセミナーなど皆無に近い。環境整備に対する認識も関心もうすいのである。私にいわせたら、これほど奇妙な現象はない。
 十カラットのダイヤモンドがゴロゴロと転がっている宝の山に入り、誰でも自由にこれを拾っていいのに、これを拾い上げようとしないようなものである。だから奇妙なことだというのである。これが環境整備に関する多くの人々の認識なのである。盲点中の盲点ということができよう。
(日本経営合理化協会出版局 一倉定の社長学 第9巻 「新・社長の姿勢」より引用)

 鍵山秀三郎氏の著書に、森信三先生の言葉として、
「やらない人にわからせることは絶対にできない、やらないうちにわかったというわかり方は浅い、そのことが論理的に良いということがわかったらやるという人は一生出来ない」と言うくだりがあります。
 環境整備がなぜ必要か。正にこの内容に尽きる気がしてます。
 環境整備ができていないが業績の良い会社は確かにありますが、環境整備ができていて業績の悪い会社を私は見たことがありません。不良が減る、ムリ・ムダ・ムラが減る、生産性が向上する、いろいろな現象はあると思いますが、それでも理論的な分析はすべきではないと思ってます。やればわかるからです。
 私のようないい加減な者が実行することは容易ではないのですが、それでも実施する価値のあるものです。
 経営環境の変わり目に、その時流に自社を合わせきれていないと判断した時には、特に有用だと思います。原点回帰として再認識し、実施しませんか。
 (H27.5.12)